変わる包装業界

厚いフィルムでもフィルム送り機構やシール機構にコンピューター制御サーボモーターを使用することで、いろんな製品に合わせた最適条件で安定した製袋を実現しました。シール時間を一定にしたまま作業を行うこともできるようになりました。

また、コーナーカット装置は3列式で、ジッパー袋、スタンディング袋、平袋に対応していて、独自の搬送方式とカッターユニットを新開発する包装会社もあります。これらは特殊なオペレーティング技術は不要です。

そして高品質な製袋加工が行える機械ということで注目されています。溶断シール機のメーカーからは、インパルスシール式製袋機が提案されました。厚手のフィルムやラミネート袋、厚手ガゼット袋のシールをしたときのエッジ切れの不良を解消したもので、シール強度が強く、高品質な加工がスムーズに行われます。

シールバーの長さ調節に応じた製品サイズを揃えるのも容易となっており、シール幅の調整も容易に行なえるものです。従来のものでは、熱シールでは温度調節、温度管理、熱板の圧力調整、寸法送りの際のシールの伸びによって起こる不具合、シールの冷却方法、熱刃の形状といったことの調整がロスになっていました。

これらのことをクリアしていくことで、材料ロスを大幅に軽減することができるようになっています。このような包装機械の改良というのは、現場の営業マンが工場などで聞いた生の声を生かしてできるものです。また、オペレーターというのは簡単には育ちません。

現場の声を生かした機械というのをどれだけ提案できるかというのが、包装業界の生き残りにかかっているともいえます。時代に対応といったところでは包装業界は注目されているといってもいいでしょう。

包装と世界の動き

フランスはエコにとても関心が高い国として知られています。先日、紙の卸会社が紙容器をフランスに売り込む様子をテレビで見ました。おしゃれだからという観点では見ていないようです。

一方で、カフェイン飲料はデザイン性の高い小型PETボトルが需要を増やしています。ただ、そこには、ラベルを巻かないでボトルに社名や商品名を印字できるという利点もあり、ごみ問題にも貢献しているという点もあります。また、紙容器への挑戦も始まったようです。

調味料も小型化しています。そのまま卓上に出せるような工夫とともに鮮度を維持するための工夫なども求められています。降り出し口の口径を小さくすることによって、存分に容器が触れるようになったものもあります。

また産業界と官界のコラボも頻繁に行われるようになりました。国を上げての環境問題への対応として、包装業界は非常に重要になっているということです。

食と安全という立場では、AI技術を駆使して、毛髪を高精度で検出できる食品異物検査装置、商品出荷リスクを回避する一体型ラベル検査システムというのも開発が進んでいる分野だといいます。

また、大手食品会社も紙トレーへの移行も目立ってきたようです。日本の技術力があれば、エコで環境問題もクリアできる包装製品はできると期待しています。

一方で、海外の包装の動きも見逃さないようにしないといけません。日本では包装関連の展示会やコンペがたくさん行われているようです。日本が出品するものはやはり注目度は高いようです。

最近のトレンドはシンプルで捨てるときのことまで考えられているというもののようです。新材料もまだまだ開発されています。これからの包装業界に期待したいと思います。

日本の包装の市場の現状

PETボトルでも汎用のものは、市場的には飽和状態になっています。

一方で、大きなボトルやチルド飲料用のPETの販売は伸びています。食品容器の方は、バイオ素材といった新しい製品の開発が進んでいます。

これに関してはメーカーは熾烈な競争をしています。食品ロスの問題が深刻化していますが、それに応えるように軟包装でのバリアフィルムやレトルト用の製品が伸びているようです。

また、これは高齢化社会に対しても必要なことで、これからも開発が進んでいくと思われます。物流の方は、ネット通販の隆盛が言われていますが、製造業の方が振るわないということが心配されています。

これにより懸念はあるものの、震災などで、復興事業に伴っての物流はかなり拡大していて、微増する傾向にあるようです。これに連動して、緩衝材やテープ、ラベルといったものも微増、横ばいと考えられています。

高齢化社会が進むということで、冷凍食品で電子レンジで簡単に作れるというものが需要が高まると言われています。特に環境問題を考えた耐熱紙容器の需要が拡大すると言われています。

食べきりサイズというのも注目が集まっています。食べやすさ持ちやすさを考えられた容器も発表されています。

また、スマホをしながら物を食べるという人も増えたということで、手が汚れるお菓子は発売を中止にしたりということもありました。

そういった要望に応えて、手を触れないで食べられる容器になって人気を集めています。長期保存性や医薬品用包装に関しても、拡大しているようです。

包装といっても、開けやすさ、捨てやすさといったことも考えていかないといけません。国内の市場は特に高齢者に優しい包装を目指すことがポイントになるようです。